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メタルフリー治療について

2020.8.04

目次

こんにちは。
「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 上尾診療所」の歯科医師畠山です。
今回はメタルフリー(金属を使わない)治療について記述します。

●なぜ金属が溶け出してしまうのか?
日本の保険診療では金銀パラジウム合金やニッケルなどの重金属が使われています。これらの金属が口の中という、だ液と水分に常に触れている高温多湿の環境下に置かれ、さらに咀嚼(そしゃく)時の摩擦熱の影響を受けることで、金属が溶け出し、だ液とともに体内に取り込まれてしまうのです。そして、金属は腐食を続け、様々な金属アレルギー症状を引き起こすのです。

●金属アレルギーの代表的な症状
皮膚のかゆみ・かぶれ、アレルギー性皮膚炎、じんましん、肌荒れ 味覚障害 、口内炎、、シミ・シワ、肩こり、頭痛

●保険診療で使用されている(されていた)アマルガムと金銀パラジウム合金について
日本の保険診療では、1980年代までアマルガム(※)という金属がよく使われ、それ以降は金銀パラジウム合金が主に使われています。このふたつの共通点は、腐食しやすく、金属アレルギーのリスクがとても高いことです。
一方欧米の歯科先進国では、金属アレルギーのリスクの高さから、早くからほとんど使われなくなっています。またドイツでは、保健省が歯科業界に対して「幼児及び妊婦に、銅を含有する金銀パラジウム合金と、水銀・銀アマルガム合金を使用しない」と勧告しているほど。その危険性が広く認知されているのです。
特に若年者に早くから金属を使用すると、徐々に体内に金属が蓄積されていき、将来、金属アレルギーが発症するリスクが高まります。
※現在アマルガムはほとんど使われていませんが、1980年代以前に治療を受けられた方のお口の中にはまだ多くのアマルガムが残っていると考えられます。
金属アレルギーの方でも安心なのが、金属を使用しない「メタルフリー治療」。金属の代わりに審美性や機能性に優れたセラミックなどを用いた詰め物・被せ物を使用することで、金属アレルギーの問題を根本から解決でき、見た目もキレイに仕上がります。

そこで、今回は当院で使用しているセラミックの1つe-maxという素材についてお話します。

e-max(イーマックス)とは
「empress max」「エンプレス・マックス」の意を持つシステムです。被せもの全体がガラス(ニケイ酸リチウムガラスセラミック)を主成分にしたセラミックでできているもので、とても透明感が高く色調もきれいです。本来の天然歯と同じか、それ以上の色調・形態を再現します。金属を使用しないため(オールセラミック)金属アレルギーの心配はいりません。

e-max(イーマックス)のメリット
●天然歯のような光沢があり、また硬いのですり減りません
●非常に見た目が良く、ほとんど変色しません
●汚れ(プラーク)が付きにくいです
●歯と分子レベルで強固に接着するため、治療した部分から虫歯になりにくいです
●セラミックは熱伝導性が低いので、治療後、しみにくいです
●e-maxは軟化したセラミックを鋳型にプレスして製作されるため、優れた適合精度を誇ります
●金属が含まれませんので、金属アレルギーの心配もありません

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e-max(イーマックス)の種類
●グレージング  
  純粋にセラミックフレームに艶出しを行ったものです。リアル感は欠けますが強度、
適合性は申し分ありません
●ステイニング  
  セラミックフレームの表面に薄くセラミックを築盛し、リアル感を出したものです。
  奥歯においては、ほぼ天然の歯と比較しても見劣りしません
●レイヤリング  
  セラミックフレームをギリギリまで削り、天然歯と区別がつかない様に何層にもセラミックを築盛します。
  前歯において、誰に凝視されても区別がつかないほどの製作が可能です