歯の破折｜赤羽歯科「上尾診療所」

こんにちは。
上尾の歯医者「医療法人社団歯友会　赤羽歯科　上尾診療所」の歯科医師畠山です。
今回は歯の破折について記述します。

歯の破折は、大きく分けて、外傷など衝撃力による破折と、咬合力（嚙む力）で生じる破折があります。

外傷による破折は、スポーツ、交通事故、転倒など耐力を超えた衝撃力が歯にかかることによって起こります。上顎前歯部によく見られます。歯が歯茎の中に入り込んだり、ぐらぐら動いたり、抜けることもあり、学童期から青少年期の活動的な世代で起こりやすいです。

一方、咬合力による破折は、大きく穴の空いた歯や亀裂が入っている歯などで、咬合力が歯の破折への抵抗力を越えることによって起こります。歯の抵抗力は、虫歯による欠損の拡大や、日常の咬合による亀裂の進展、さらには歯の切削処置などによって減少していきます。小さな亀裂が、咬合によって進展していき、やがて破折に至るプロセスは疲労とよばれ、咬合力による歯の破折の主な原因となっています。根の治療中の歯や、過大な金属ポストの入った失活歯、抵抗形態の不十分な修復歯などの要因も、破折への抵抗力を減少させることになります。

歯冠破折

軽度の場合で見栄えにさほど影響のないものは形態修正と磨く程度に留めます。破折が大きかったり、しみがあったりする場合は、詰め物での修復、被せものをすることもあります。

重度の場合、破折が神経に到達している場合は根の治療をしたのち、土台を建てて被せものを入れる必要があります。

水平的な歯根破折

残っている根の長さが十分にある場合は、根の治療を行ったのち、矯正的または外科的挺出を試み、その後被せる処置を行うことができる。根の長さが短い場合は抜歯の適応となることが多いです。

垂直歯根破折

多くの場合は、金属ポスト装着歯に起こります。過度な根の拡大、不適切な金属ポストの装着、および過剰な咬みあわせの負担なども要因とされ、通常の咬みあわせによる疲労から抵抗力が弱まって破折に至ります。破折線に沿った歯周組織へ、根の中の感染物質による持続的な炎症が生じるため残すのは困難であり、抜歯の適応となることが多いです。

破折後の治療として、

１、保存可能な破折片を残して修復

２、破折片を整復、接着、結紮固定し、全部被覆冠を装着

３、口腔外にいったん取り出して接着再建再植術を行う

４、抜歯して、インプラント、ブリッジ、入れ歯などの欠損補綴を行う。

などが挙げられます。

歯が欠けてしまい、心配な方はぜひ当院にご相談下さい。

上尾の歯医者「医療法人社団歯友会　赤羽歯科　上尾診療所」