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TCHについて|”TCH”という言葉をご存知でしょうか。

2023.2.24

目次

こんにちは。「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 上尾診療所」 歯科医師の中川です。

 

皆様、”TCH”という言葉をご存知でしょうか。

TCH=Tooth(トゥース):歯、Contacting(コンタクティング):接触、Habit(ハービット):癖

歯を接触させる癖の事をTCHと呼びます。

 

近年、顎関節症の原因のひとつとして重要視されているのが、歯列接触癖(TCH)です。まだまだ一般的にはあまり認識されていませんが、テレビ番組等でも紹介されるなどして、やっと少しずつ浸透いているようです。

 

「歯を接触させる癖」とはどういうことかといいますと、無意識のうちに上下の歯を”持続的に” 接触させてしまっているということです。

上下の歯が接触しているのなんて当たり前じゃないかと思われますが、実は人間は噛んだりしゃべったりしている時以外の、安静な状態では、上下の歯は接触していないのが正常です。何もしていないとき人間の上下の歯は接触していません。くちびるを上下閉じていても上下の歯は触れていないのです。意外と思われるかもしれません。

そして上下の歯が咬みあって接触するのは、物を噛むときと会話で「ジ」や「ズ」・「チ」などの一部の音を発音する時で、一日のうちの歯の接触時間をすべて合計してもなんと20分程度と言われています。

 

本来は20分程度のところを数時間、数十時間と上下の歯を”持続的に” 接触させてしまっていると様々な問題を引き起こしていたと近年分かってきました。

 

 

歯周病の悪化

TCHや歯ぎしりにより、歯だけでなく歯ぐきや顎にも大きな負担がかかります。そうなると歯周組織にも悪影響を及ぼし、結果的に歯周病が悪化しやすくなるといわれています。

 

頭痛や肩こりに悩まされている

噛み締めるには頬(咬筋)などの諸筋群を用います。それらの筋肉は首・肩・こめかみ・側頭部などの筋肉にも繋がってますから連動して頭痛や肩こりといった症状が出てしまうことがあります。

顎関節症が疑われる

TCH(噛み締め)は、顎関節にも大きな負担がかかります。それほど重くは無いけれど常に荷物を持ってる状態と同じですから、長時間の連続負荷は顎関節症の原因となり得ます。
TCH
を治すだけでも顎関節症の症状がなくなった・軽くなることもあります。

歯並びが変化して来た

歯はわずかな5gの力であっても、それが持続的な力であれば動いてしまいます。それが矯正治療の原理でもあります。通常は舌・頬・口唇、そして咬合の絶妙なるバランスで綺麗に揃いますが、TCHで咬合だけが過剰になると歯並びが悪くなります。
歯周病で骨植が緩んでる方は歯の移動が顕著になりがちです。

知覚過敏に悩まされる

TCHによって歯に過剰な力が掛かり続けると、歯の表面を覆うエナメル質が砕けたり剥がれてきます。そうすると本来なら見えない敏感な象牙質が露出することになり、ブラッシング時や冷たいモノを口に含んだ時などに知覚の過敏状態が生じるようになります。

 

頬の内側をよく噛む

TCHの特徴は頬の内側の圧痕です。噛みやすい状態になることがあります。

TCHのチェック方法

TCHのチェック方法

  1. 姿勢を正しくして正面を向き、目をとじる
  2. 唇を軽く閉じる
  3. 上下の歯が接触しないように軽く離す

これに違和感を感じるようであればTCHの可能性があります。

 

対策

対策

TCHは無意識な習慣なのでやめようとしてもすぐにやめられるものでもありません。日常のストレスを発散させるためにTCHをしてしまっているとも言われているので、まずは、自分に合ったストレス解消方法を見つけることも大事です。
そのほかの対策方法としては、パソコンやテレビの隅に目印となるところに「歯を離す」と書いたふせんなどを貼っておき、それを見たら上下の歯を離すということを繰り返していくと、徐々に歯が接触している時間が短くなります。具体的には、「唇を閉じて、上下の歯を離し、頬の筋肉の力を抜く」ことを意識し、1日に何度も練習してみてください。「歯が接触していると逆の癖」になるようにしましょう。

お口のまわりの「安静な状態」をつくりましょう 

 

このような症状があり心配な方はぜひ当院にご相談下さい。

 

「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 上尾診療所」